新春の候 皆様いかがお過ごしでしょうか。
令和5年を迎え今年の干支は「卯」、兎の年となりました。
本日はそんな兎に因んだ日本の童話の話をさせていただきますね。
「因幡の白兎」という物語をご存じでしょうか。
向こう岸へ渡りたい兎がサメに「君たちの数を数えてやろう」と騙し整列させて頭上を渡りました。
最後に「お前たちは騙されたのさ」と伝えたら報復に毛をむしられて痛い目を見たというお話。
嘘をつくと碌な事がないという教訓話ですね。
実はこの話、「古事記」という日本最古の歴史書の中に存在しており、話に続きがあるんですね。
八十神(やそがみ)と言われるたくさんいる兄弟の神様達が八神姫(やがみひめ)への求婚に向かう際、毛をむしられて泣いている兎を見つけました。
八十神達はいたずらに「海水を塗って山の上で陽を浴びれば傷が治る」と嘘をついた為、信じた兎はさらに痛い思いをすることになります。
すると八十神兄弟の末っ子で荷物持ちをさせられていたオオナムチという神様が兎を発見し、正しい治療法を教えるとたちまち傷が治って兎は元気になりました。
兎は助けてもらった事に感謝して「八神姫は心優しい貴方を選ぶでしょう」と言い残し、八神姫のもとに先回りしてオオナムチの事を伝えました。
八神姫は他の八十神たちの求婚を断り、オオナムチと結ばれたというお話です。
実はこのオオナムチという神様は後に大国主神(おおくにぬしのかみ)と呼ばれる神様です。
縁結びで有名な出雲大社の神様で、北海道神宮をはじめとする道内多くのお社に鎮まる開拓の神様でもあり、当神社のご祭神大物主神は大国主神の和魂(にぎみたま)であるとも言われています。
この兎とのやり取りから、大国主神が医療の神様や縁結びの神様と言われる由縁に繋がったんですね。
みなさんも道端で兎が困っていたら助けましょう笑。
ちなみに大国主神はこの後も、嫉妬したお兄さん達に襲われたり黄泉の国で別のお嫁さん見つけたりお義父さんになる神様に襲われたり地上をひとつに治めたりと壮絶な物語が繰り広げられるのですが、興味がある方はぜひ調べてみてくださいね。