秋麗の候 皆様いかがお過ごしでしょうか。
秋晴れが続く今日この頃、北海道の自然も冬支度を進めるように大きく移り変わっていく様が感じられます。
当神社の境内にあるイチイも赤い実が鮮やかに実を付けていますね。
北海道の神社でよく見る樹木の代表としてイチイの木が挙げられます。
地域によっては「おんこの木」という名前に慣れ親しんでいる人の方が多いかもしれませんね。
イチイの木は北海道では玉串に使用される事の多い木です。
本州では榊の木を使用するのですが、北海道では寒くて榊が育ちません。
なので北海道では、
① 常緑樹(年間葉が無くならない木には神様や精霊が宿っていると考えられていた為)
② 先の尖った木(神様や精霊は宿る際に先の尖ったところを入口にするという考え)
という条件の当てはまるイチイの木を使用するようになったそうです。
(ちなみに沖縄ではガジュマルの木を玉串に使うとの事)。
またイチイの木は神道や日本の歴史にも深い関係性があり、冠位十二階が制定され「一位」の冠位に与えられた笏にイチイの木を用いた事が名前の由来と言われています。
その為「一位になれますように」という願意を込められたイチイの木にまつわる御守などが受けられる神社が多く存在します。
当神社にもイチイの木が生えているのですが、実は亜種とされる「伽羅木」という木もあるんです。
「伽羅木」は香木「伽羅」に似た香りがすると名づけられ、昔は「あららぎ」とも呼ばれていたそうです。
二種の木はほとんど一緒なのですが、見分けやすい違いがあります。
それは葉の並び方です。イチイは葉が整列して生えているのですが、伽羅木は葉が螺旋を描くように生えているんですね
当神社の境内にお越しになる際はイチイと伽羅木、二種類の木を見比べて楽しんでいただければと思います。
※イチイの木に成る実、通称「おんこの実」は赤く美味しそうで、いえ実際甘くて美味しい実なんですけども種に毒があります。
整腸薬の処方などにも使われるらしく、摂取しすぎるとお腹を下す等の症状が起こりうるのでご注意くださいね。