『古事記』では、大国主神とともに国造りを行っていた少名毘古那神が常世の国へ去り、大国主神がこれからどうやってこの国をつくっていけばよいのかと思い悩んでいたところ、海の向こうから光り輝く神様(大物主神)が現れて「我を青垣の東の山(三輪山)に奉れば国造りは上手く行く」と助言された為、大国主神は大物主神をお祀りする事で国造りを終えたとされています(大国主神は『国造り』を行い地上を治めた国土開拓の神様で、北海道とも所縁深い神様です)。
『日本書紀』では大己貴神(大国主神の別名)の幸魂・奇魂(和魂という表記もある)であるとされ、自らの和魂を三諸山に祀る事で国
造りを終わらせたとされております。
大物主神は国造りの神様として、農業、工業、商業すべての産業開発、 方除(ほうよけ)、治病、
酒、製薬、禁厭(まじない)、交通、航海、縁結びなど世の中の幸福を守り導き、人々の生活を支える
神様として崇敬されています。
また、ご祭神の御名「大いなる物の主」は「すべての精霊(もの)を統べる」事をあらわし、災をなす精霊(もの)をお鎮めくださる神威から厄除け・方位除の神様としても厚く敬われています。
大物主神が金刀比羅大神として崇敬される理由としては、本地垂迹説による神仏習合(神道と仏教を同一と考える教え)で仏教十二神将の一柱である宮毘羅(くびら)と習合された為とされています。
宮毘羅は水運を司る神とされている事、また総本社・香川県の金刀比羅宮のある象頭山(ぞうずさん)が瀬戸内海の航海に於ける指針とされた事から、航海安全・豊漁祈願は金刀比羅神社を代表する御神徳として漁業に纏わる方、航海に纏わる方に篤く信仰されています。